平成19年3月25日 午前9時45分こ゜ろ

能登半島地震 M6.5

 地震発生時、私は、10時30分から始まるご門徒宅での法事の準備を終え、部屋でお迎えを待っているときでした。突然、いままで経験したことのない揺れが襲いかかりました。棚の上から物がバタバタ落ちて、2階でも物の落ちる大きな音がドタバタと聞こえ、家がギシギシきしむ音も聞こえます。縦揺れと横揺れが同時に襲ったようで、体のバランスが保てず、ただ柱にしがみつくだけで精一杯でした。
 しばらくして揺れは収まりましたが、部屋の中はめちゃくちゃに物が散乱しています。足の踏み場もありません。慌てて、父母の住む棟へ行き安否を確認しました。父母は、平屋建ての離れに住んでいました。そうとう驚いたようですが、2人も無事でした。次に、本堂が心配になって、本堂に入りました。内陣の荘厳は、散らかり放題で、鶴亀や香炉、華瓶も床に落ちています。その上、本尊も傾き、後光も傾いていました。下陣では、障子戸がはずれ、壁が落ち、本堂周囲のガラス戸も割れています。戸が勝手に開いています。横揺れが大きかったのでしょう。外周りのガラス戸の敷居がはずれ、外が見えます。揺れのため、敷居がはずれて本堂がずれたようです。慌てて外に出て、本堂の周りを確認したところ、基礎石に乗っている柱が10pほどずれて、柱が基礎石の半分にしか乗っていません。もう少しずれていたら、柱が基礎石をはずれ、本堂が倒壊するところでした。
 その他の被害として、父母の住む離れと私たち夫婦が住む離れの棟瓦が落ちました。
 昨年新築した庫裏は、耐震構造になっていたので、室内は散乱しましたが、壁クロスがはがれた程度ですみました。

 今回の地震で、家の倒壊に遭った人もいます。それに比べれば、私どもの被害は軽くすんだほうですが、これまで、能登に地震はないと考えていた甘さを思い知らされました。
 能登の人たちは、後かたづけに追われています。後かたづけが終われば、復興に向けた取組が始まります。しかし、その道のりには険しいものがあります。地震に見舞われたショックからの回復が簡単ではないからです。

 僧侶としては、人々の復興に向けた精神的ケアーに取り組まねばならないと考えます。そのためには、何が出来るのかも考えねばなりません。現在のところ、自分のことで精一杯で、具体的な行動計画はありません。とりあえず、地震の情報を掲載しました。
 
崩落した本堂の壁 揺れでずれた本堂の柱 地震を伝える新聞